「あすの会」の抗議は続くよいったい何処まで?
先日の朝日新聞素粒子「死に神」報道について「あすの会」が抗議した件の続報があった。
「死に神」報道に朝日が回答 「犯罪被害者の会」は納得せず
2008.7.2 15:42
朝日新聞が夕刊1面コラム「素粒子」で、計13人の死刑執行を指揮した鳩山邦夫法相を「死に神」と表記した問題で、朝日新聞社は2日までに、全国犯罪被害者の会(あすの会)が同社に送付した質問書に対し、「気持ちに思いが至らなかった」と回答した。あすの会は先月25日、「被害者遺族にどんな気持ちを起こさせるか考えなかったのか」など4点について質問していた。
回答は6月30日付。「法相に対する侮辱中傷になると思わないか」との質問には、「中傷する意図は全くなかった。侮辱、中傷と取られたとすれば、残念だ」と答えた。
回答について、あすの会は「満足させるものではない」として、再び抗議と質問をする予定という。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080702/trl0807021542009-n1.htm
申し訳ないがここまでくると正直同和団体なみだと思う。こういう抗議は結果(やその行為の是非はさておく)はともかく行うことに意義があると思っているので、今回、朝日の回答書にある「死刑廃止論の立場はとってない」という言質を引き出した時点でよしとすべきだったと思う。これ以上追求することになにか意味があると私には思えない。
朝日新聞は死刑廃止論を紙面上で大々的なキャンペーンでもって訴えたことはないし、死刑廃止論を紹介する際も(私の記憶している限りでは)必ず存置論を併記していた。朝日新聞については多くのサイトで「死刑廃止の立場をとっている」と思い込まれているようだが実像は違う。
今後深追いすればするほど圧力団体然としてくるし、単なる「あすの会」離れ(ネットウヨクぐらいしか支持者がいなくなるよ)を広げるだけだと思うので、もうこの辺でやめたほうがいいんじゃないか。「あすの会」の運営に携わる方々は、過去にいわゆる弱者の権利拡大を謳った団体が結局圧力団体となってトンデモな対応をしまくったような轍は踏まない賢明な人ばかりだと思うので、善処を期待する。
◆願い空しく騒動は広がる
「朝日は旧態依然」 サリン事件遺族が「死に神」問題で抗議
2008.7.3 17:51
このニュースのトピックス:メディア倫理
朝日新聞夕刊1面コラム「素粒子」で、計13人の死刑執行を指揮した鳩山邦夫法相を「死に神」と表記したことに抗議、質問した「全国犯罪被害者の会」(あすの会)への朝日新聞社の回答を不満として、「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん(61)が3日、同社に抗議文を送付した。抗議文では、あすの会の「被害者遺族にどんな気持ちを起こさせるか考えなかったのか」との質問に同社が「気持ちに思いが至らなかった」と回答したことに触れ、「犯罪被害者へのさまざまな二次被害防止の取り組みがなされている中、(朝日新聞社は)旧態依然と言わざるを得ない」と批判している。
鳩山法相については「現行法に従って粛々と(死刑執行を)実行した。何ら非難、中傷を受けるようなことではない」と擁護した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080703/trl0807031752005-n1.htm
あーあ…。こうなると元ネタ読んだのか?とすら思うね。
と、思ったら「あすの会」へ送った回答書も見ずに抗議したらしい。以下、「白頭の革命精神@ネタ切れ人民共和国統合不定期更新日記」さんのところより引用します。
以下、本人のブログより。
http://blogs.yahoo.co.jp/whitecat12browncat12/24247733.html私個人の意見としてではなく、地下鉄サリン事件被害者の会として、「御社6月18日付夕刊『素粒子』の“死に神”表現に対する回答についての抗議」という文章を朝日新聞社宛に出しました.
今日の午後に投函したので、朝日新聞社にはまだ届いていないのですが、東京地裁司法記者クラブに、「こういう抗議文を出しました」というお知らせはしました.
私の個人的な意見としては、この問題に関して、「素粒子」筆者はものすごく軽く考えているような気がします.
「風刺なんだからさぁ、わかるでしょうw、笑って受け流してよ」って.これまでに抗議と質問の文章を突き付けていた全国犯罪被害者の会(あすの会)に、昨日、朝日新聞社から回答があったことが報道されていました.
私が抗議したわけではないので、その回答書を見ることはできなませんが、私たち遺族の気分の重さに反して、「何だってそんなに気にするの?」と言わんばかりの気軽さがまだそのまま感じられるのです.
それまで抗議表明していたのは、あすの会だけでしたが、地下鉄サリン事件を始めオウム事件の被害者や遺族、その他の犯罪被害者や遺族、一般の人たち、そういった多くの人々が関心をもち、朝日はどうでするつもりなのか? どう対応するんだろう?と注視していました.
ですから、「あすの会への回答書」を、紙面に掲載すれば良かったのに.
それくらいしてほしかったですよ.今日の地下鉄サリン事件被害者の会からの抗議書は、もっといろいろ書きました。
来週にでも、その文章を載せることにします.今夜はこれで.
まさに「水に落ちた朝日は叩け」。