ギョーカイでは当たり前のこと。マクロビ信者以外は配慮してくれないと

荻上ちきさんが旅先で食育冊子をみてその内容を紹介するエントリーを書かれた。
アレな内容てんこ盛りでブックマークもうなぎのぼりですな。

ちょwwww食育冊子wwwww - 荻上式BLOG

で、実はその食育冊子を出している会社が偉大なる我らの維新政党新風(やっぱり…)関連の会社だったということをid:dj19さんが指摘されて壮大なネタとなっている。

■[右翼][ヲチ]ちょwwww新風wwwww
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20080925/p2

ところがですね、マクロビ経験者としては食育冊子に書いてあることってマクロビオティック界隈(正食業界)ではよく見かける話だったりするんですな。よく見ると漫画本の紹介に「身土不二」なんて言葉があっったりしたので個人的にはあーなるほどと思った次第です。「食育」というよりも「食養」のほうがギョーカイ用語的です。

で、その食養--マクロビオティックはいまでこそマドンナやグウィネス・パルトローが実践していたりしてセレブちっくな健康食というイメージですが(テキトウ)、そもそもこのマクロビオティック石塚左玄という陸軍医が考え出し、桜沢如一が発展させた(国家)神道の影響がうかがえる食事療法なのだ。例えば食物を陰と陽なんかに分けて考えるところとか。ちなみに私が実践していたのは久司道夫氏が考案した久司式マクロビオティックというものである。参考までに久司式マクロビオティックの標準的な食事の特徴を記してみる。

・単糖類・二糖類炭水化物を減らし、多糖類炭水化物を多く摂る。
・動物性たんぱく質を減らし、植物性たんぱく質を多く摂る。
・脂肪食を減らす。脂肪のなかでは不飽和脂肪酸(植物性脂肪)を多く摂り、飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らす。
・さまざまなビタミン、ミネラル、その他の栄養素は、自然のままの食物からバランスよく摂る。
・人工的に化学処理された食物ではなく、有機農法で育てられた自然の質をもつ食物、より伝統的な技法でつくられた食物を摂る。
(引用元;久司道夫のマクロビオティック 美しくなるレシピ←とりあえず今見つかったのはこの本だけでした…)

もちろんこれは久司式の話であって、正食協会やまた違う団体では異なる指導をしていると思う。久司式は「月に数回程度、オプションや正しい食事への移行期に」と限定した形で肉や卵・鶏肉乳製品の摂取を認めているが、それも認めていないところもあるし、それらや煮干しや鰹節も血を汚すものとして指導したりする。(煮干しや鰹節などについても久司式は認められてなかったなーって久司式の話ばっかりですみません)
砂糖を白い悪魔呼ばわりしていたが、これは精製されたものを摂ってはいけないということと呼応しているし、癌云々は大東流霊的食養道でいってることと同じ。ちなみに「パン食亡国論」は1906年にでています。だからこの新風関連団体がだした食育冊子のネタって別に目新しいことじゃないんだよね。相も変わらず新風ってこんな感じの後乗りネタが多いな。

食育冊子漫画は荻上さんが紹介されたようにかなりキてるが、新風関連の食育冊子に比べれば表現は確かに穏当だが(別に食べたら癌になるとかそういうことは書いてなかったと思う)マクロビオティックにだってどうしてどうして、結構一見電波な内容も多いのですよ。例えば食育冊子に「牛乳はモー毒」なんてのがありましたけど、それを久司式で書けばこういうことになる。

牛の乳は、たんぱく質の分子も脂肪の分子も、母乳とは異なり人間には使い切れないのです。牛の乳は子牛が飲むもので人間が飲むものではありません。

とかね。「久司道夫のマクロビオティック 美しくなるレシピ」には

食物は消化吸収されて分解され、血液の中を流れていきますが、その間に分子、原子というレベルになり、やがて気やオーラ、波動のようなものを生じます。これが心を変化させるのです。 ステーキや香辛料、刺激の強いもの、脂っぽい食べ物などを常食すると、荒々しい気を起こし、荒々しい心になります。マクロビオティックで勧めている食材は穏やかな気を起こすものばかりなので、おのずから穏やかな心になるのです。

なんてことも書いてある。ほか氏の本には「自閉症エイズが治った」的な話も掲載されている。マクロビオティックについて体系的に学びたくて本を購入した私はその内容に思いっきり引きましたよ。私自身は講習会に何度も参加して実践している栄養士さんに指導を受けてました。で、栄養士さんに「こういう内容ってアレじゃないですか?」と尋ねたところ、「そういうところは見ない。いいところだけを実践する」とおっしゃってました…。まー、そうするのが大人の態度というものなんだろうか。その栄養士さんが言うには、自分の参加した講習会には有名野球選手(野球に詳しくないから名前までは覚えてないそうだ)や同じ栄養士等様々な人がいたそうだが中でも目を引いたのは「参加者の中にね、色が真っ黒でガリガリに痩せていているのに“まだ努力が足りない”とかいってる女性がいたのよー。久司先生がねーあなたはもうやめたほうがいいなんていってたのよ」それを聞いて思わず某宗教団体を連想してしまいましたとさ。それはさておき。

だからこれはdj19さんの日記にも書いたことだけれども、「食べると癌になる!」と脅すか「食べたら難病が治った!(※あくまでも私的な感想であり全ての人があてはまるかわかりません)」と表現するか、いってみれば方法論の違いであって、主張したい内容にはそんなに差があるわけではないんじゃなかろか。脅すか懐柔するかとまあなんていうか見事に普段やってることの差がでたというか、(あえてこういう表現を用いるが)「育ち」の違いなんじゃないでしょうかね。

大東流霊的食養道のサイトもすごいぞ。

名前だけでも十分すごい大東流霊的食養道(http://www.daitouryu.com/syokuyou/contents/frame.html)ですが、その主張も食育冊子に負けず劣らずすごい。上記サイトよりいくつか引用してみるといかに食育冊子に似ているかがわかると思う。

さて、日本における死因の第一位は、何と言っても「ガン」です。
 年々増加の一途を辿る癌死亡者は、今日では三十万人以上と推定され、凡そ三分間に1.5人の割合で死んでいることになります。
 そして死因の第二位は心臓病、第三位は脳卒中で、これは仮に死亡しなくてもボケたり、寝た切りの植物状態の後遺症が残ります。 

 更にその後に、エイズが追いかけてきています。既に、推定五千人以上と目されているこの病気は、今後も猛烈な勢いで増え始めて行くことが予想され、日本は仮に戦争や天変地異に巻き込まれなくても、確実に日本人の躰は死の淵に向かって驀進(ばくしん)しています。

 これまで最先端医療技術が発達したと思われた日本で、以上のような病気が蔓延しているのは何故でしょうか。


実は、こうした病気の背後には、日本人の食する食体系の誤りから起こる食事法に原因があります。
 既に、食と病気のかかわりは世界の医療の権威筋では証明され居ることであり、日本だけがこうした指摘を余所目に、グルメだ、美食だと踊らされているのです。

 「食が乱れ、慎みがなくなれば、必ず、その肉体は病む。そしてそれは肉体だけに留まらず、精神も病み、魂は穢(けが)され、霊性は地に落ちる」

 これこそが、日本人にとって重要な危機であり、こうした現実に眼を向ける人は非常に少ないというのが実情です。

 しかし牛乳は、例えば乳幼児が飲むと、水分・電解質代謝の混乱が起こって、水膨れ状態になったり、骨や歯を脆くします。
 「牛乳イコール骨太」という信仰を持ち、毎日牛乳を飲みながらも、転倒すると、直ぐに骨折する小学生児童の骨の脆さは、一体何処から起こっているのでしょうか。
 「牛乳イコール骨太」あるいは「牛乳イコール健康」という図式は、果敢なくも、こうした現実で崩壊してしまいます。

まあこのあたりも食育冊子に書かれていたネタを穏当な表現に書き換えた、といえますな。

【1.三白癌を齎す魔の精白米】
 白米は精白食品であるため、腸の蠕動運動を弱め、腸内容がスムーズに流れていかなくなる原因を造ります。これは一番大事な炭水化物の代謝を悪くしますので、その燃え粕が残り、肥りやすい体質になるばかりか、腸内で腐敗ガスが発生して、このガスを腸は再び吸収するという「腸マヒ現象」を起こします。

 このために十代で若白髪になったり、二十代で若禿げになったり、三十代で肥満体になったり、あるいは女性の場合、常時貧血を起こしたり、とにかくスタミナ切れの体質になってバテやすい躰になります。
 これは若返りのビタミンである、ビタミンEが脱け落ちている為です。
 ビタミンEはその大部分が胚芽という「糠」に含まれていて、白米は栄養が脱け落ちた「老化食品」であることがわかります。

 ここで、精白米が駄目なら、ではパンがあるではないか、と思う人がいるかもしれません。しかしこれも早計です。

(中略)

【2.三白癌を齎す魔の白砂糖】
 次に白砂糖を上げて見ましょう。
 白砂糖の恐さは、体細胞に直接働いて機能を鈍らせるという病因を造ります。
 白砂糖を毎日少量でも常食すると、腸の蠕動運動は大変鈍くなり、腸の組織は低迷して、便秘状態を作り出します。ケーキやあんみつ、お汁粉などの甘いものが好きな女性に便秘が多いのもこの為であり、直接の因果関係は白砂糖にあります。

 また白砂糖は、細胞内のミネラル分を排出するように作用し、特に骨に蓄えられたカルシウムを浪費させて、骨を溶かし、疲労しやすい体質を造ります。
 その上に蠕動運動を鈍らせる為に、腸内腐敗を引き起こし、病的な微生物を発生させて病変組織(病気になったために現われる変化)が組成されます。そして病変組織が崩壊する時には、体細胞がバクテリアやウイルスに姿を変える現象が起ります。

 病気のメカニズムは、自分の無知から自分自身で腸内に腐敗を起こす食物を取り込み、病的な微生物を増繁させて、その結果として、自分が勝手に病気に掛かるというのが「発病」の真相であり、現代医学でいわれているような、「病原体」などというものは何処にも存在しません。
 病変組織を調べると、病的バクテリアや、病的ウイルスが発見されることもありますが、それは腸内から吸収されたものか、あるいは自然発生したかのいずれかです。

 そしてこれは悪性腫瘍へ変化することが多く、癌遺伝子(oncogene) 発癌に関与する遺伝子は、正常の動物細胞に存在します。これは細胞増殖を促す原癌遺伝子が変異したものとされます。レトロ・ウイルスが原癌遺伝子を取り込んで変異を起し発癌性をもつようになったものが腫瘍ウイルスです。

 その為、白砂糖の常食は腸内腐敗物質を大量に、長時間停滞させ、特に大腸ポリプ(大腸粘膜に生じるポリプ。多発するものを大腸ポリポージスという。悪性化し癌化するものもあるとされる)、大腸癌(大腸に発生する癌。多く円柱上皮性腺癌で中高年に好発。脂肪に富む洋式食事が普及して以後増加した。しばしば肝転移を起す)、結腸(colon/大腸の主要部分。上行・横行・下行およびS状結腸の別があり、直腸に続く。小腸で消化された食物から水分を吸収する)癌、あるいは腺癌、直腸癌に因果関係を持っています。
 私達は、疲れた時に甘い物がいいというのは迷信であり、仕掛人の仕掛に嵌って一種の神話を信じる先入観ができ上がってしまっているのです。

若白髪やハゲ・デブの原因は白米だった!という断言もすごい。また砂糖に触れている箇所なんか「白い魔薬」話と一緒ですな。

 イギリスの医学誌『センシブル・イーティング』はその論文の中で、「西洋人は肉類、動物性脂肪、乳製品、精製炭水化物を摂り過ぎ、植物繊維を十分に摂っていないという事実に異議・異論を挟む栄養学者は殆どいなくなっている」と記し、人間の正しい食事法には、穀物菜食が最も有効であると明確に述べています。
 そしてイギリス国内には、穀物菜食主義こそ、健康を維持し、長寿を全う出来る基本原則であるという思考は徐々に定着し始めています。

 ところが、どうしたわけか、このような世界的な食体系のベースをなす基本常識の中で、日本人と韓国人だけが、未だに肉食主義を奨励し、焼き肉こそスタミナ源のもと、という盲信を抱いており、特に日本においては、グルメだ、美食だと、肉食料理がもてはやされています。

 既に肉食料理は、死刑宣告がなされたにもかかわらず、あくなき舌先三寸の美食に酔い痴れる現実を作り出し、国民大衆を騙して、己の利益の追求しか考えない政財界やこれに関連する食品企業は、何と悪辣で、独占的な思考で凝り固まっているのでしょうか。

 また、彼等から膨大な見返りを受けて、その片棒を担ぐ、現代医学者や現代栄養学者は、マスコミなどを通じて官民一体体制を作り、かたくなに動物性蛋白質の奨励を促しています。
 そして何も知らない国民大衆は、まんまと踊らされ、自らの胃袋を企業のご都合主義のゴミ箱と化しているのです。

日本人と韓国人だけ!と限定する意味があまりよくわからない。

 昨今の社会現象を見てみると、食の間違いから起こる由々しき事態が起こっています。
 青少年犯罪の低年齢化、自分の事しか考えない悪しき個人主義、礼儀をわきまえない日本の少年少女の現実、喧嘩早く、好戦的で、切れやすい我慢知らずの彼等の実態は、食の誤りから起こったものです。未来の日本を担うべき彼等の使命は、今や暴力と性欲の誇示に費やされ、精神的にも肉体的にも、どこか病んでいます。こうした現状は、やがて日本中を覆い尽くし、亡国に向かわせるのは必定です。

 こうした由々しき事態に少しでも歯止めを掛けるために、「西郷派大東流合気武術・武士道集団」は忽然と立ち上がり、古人の研鑽した「大東流霊的食養道」を広く啓示し、ここに日本人民を善導に向かわしめる意義があると考える次第であります。

なんだか勇ましい話が多いなあ。通常の食事療法に比べて食養道なんかが胡散臭く見えてしまうのは霊的な気を高めようとか波動とかオーラなんて言葉が当たり前にすっと登場するからだと思う。健康になるために正しい食事をしようというよりも「正しい食事(正食)をしていれば健康になるのは当たり前」というような上から目線というか「確信」というか、そういうものがあるのではないだろうか。このあたり「水伝騒動」とも似ているかもしれない。