戦艦大和は沖縄へ「美顔クリーム」を届けようとした、と宣伝する小学校教師

自由主義史観という名の歴史修正主義ですが、そのシンパは最近↓こんなことを小学校の授業で教えようとたくらんでいるらしいです。

小学生に教える「沖縄戦」みんな「国」のために戦った!
http://www.jiyuu-shikan.org/jugyo60.html

戦艦大和の出撃は無謀な特攻作戦といわれているけれども、実はそうではなく、沖縄の民草のための救援物資を満載し沖縄を救わんと救国の志高く出撃して言ったのだ!ということを教える授業のようですな。その根拠というのが沖縄の電波怪文書親父として名高いあの恵隆之介センセイ(またコイツか)の以下の文だそうで、上記サイトより該当箇所を引用します。

2. 決死の補給作戦

1945年(昭和20年)4月1日。アメリカ軍は艦艇・輸送艦合計1500隻、上陸部隊18万3000人をもって沖縄本島に迫ってきました。これは沖縄守備軍の約2倍です。ある日本軍兵士は驚いて、こう叫びました。

「本島西海岸、海面一帯は敵の舟艇のために海の色が見えません!」

これにより本土と沖縄を結ぶ輸送は不可能となりました。        
                     
「こうした中、考え出されたのが戦艦「大和」による物資の輸送でした。みなさんも名前くらいは知っているでしょう。3月下旬。戦艦「大和」は、沖縄県民のために、歯磨き・歯ブラシを50万人分、そしてなんと女性用美顔クリーム25万人分など大量の生活必需品を極秘に輸送したのです。残念ながら「大和」はその任務を果たせず、敵の攻撃を受け、海の奥深く沈んでしました。

【参考文献:恵隆之介「日本軍は沖縄県民を敵として戦ったのか」『正論』2008年3月号】

なんかここだけ読むとまるで戦艦大和は沖縄へ美顔クリームを届けるために出撃して目的果たせずあえなく撃沈したように思えますな。大和の諸君は浮かばれねえなあ。

ちなみにここでは触れられていませんが「美顔用クリーム25万人分など」の「など」の中には「月経帯」(いわゆるメンスバンドというやつですな)も含まれてたりします。まあメンスバンドとか歯ブラシとかはまだわかるけれどもなんで美顔クリームなんぞを積んでいったんだか。そんなものを送るんだったら食料でも乗せろよ。それはともかく、こんな与太話を教えられる小学生はたまらんですな。当然のことながらこの話クラインタンも真に受けてます。恵隆之介はこの話を上記正論2008年3月号と靖国神社の機関紙に掲載したようで、その後続々と「信者」を獲得している模様。(現在この文章はあちこちで絶賛コピペ中)そのうち「正論」か「諸君」か「WiLL」で「いま巷では戦艦大和の知られざる美談(当然教えないのは日教組とかコミンテルンとかのせい。教科書にのry)が!」とマッチポンプに紹介されることでせう。

私なんて戦艦大和の知られざる話というと「近くの沿岸沿いに住んでいた漁師が浜辺に手首から切断された手ばかりが漂着して仰天した*1」というのがまず浮かんでしまいます。不謹慎ですみません。

*1:手首から先がない兵士の死体が漂着して驚いたというのかもしれない。うろ覚え