衆院解散が視野に入ってきた。
今回の参院選挙については正直、おそらく自民は40台前半議席ぐらいとって切り崩し工作であとはなんとかだろうなと思っていた。投票率低いとかなんとか報道されていたし。しかし終わってみれば民主党が自主設定ラインを大きく超える議席数を獲得となり、自民にしてみればここまで悪くなると統一会派やら切り崩し工作一本釣り手法もまったく役に立たなくなる。(こりゃ本当に年内衆院解散もあるなあ)とてつもない大敗である。
だが、個人的には「民主圧勝」というよりも、「自民大敗惨敗」という印象が強い。
これはとりもなおさず、自民党が自滅したように思えるからだろう。今回、自民は墓穴掘りすぎ。まあ党首がアレで戦わなきゃいけない時点でどうにもならなかったとは思う。(池袋での遊説の際も、一番拍手が大きかったのが首相自身が最も結果を残せなかった北朝鮮問題においてだし)拉致問題という最大懸案事項を政局に利用しようとしたその姿勢は決して許されるものではない。
民主党はこの流れを見越して、丁寧に一人区をまわった小沢党首の作戦勝ちといえる。さすが豪腕小沢、格差社会は地方のほうがより厳しく実感されているわけで、その間隙をついて丁寧にフォローしておけば、選挙になったらまわってくる党首よりも好印象になるのは間違いない。面目躍如である。もっとも小沢党首が地方で何を言って支持を得たのが、激しく気になるところではあるが。とまれ、この結果を受けて党内の求心力も高まれば、この先を見越して一致団結がはかれるというもの。小沢神話復活で、ついに政権が取れる…ためには、自民の劣化コピーである政策をなんとかしろといいたいが。
それにしても共産党は厳しい。このどう考えても勝てる選挙でこの体たらくは相当危機感を持たなければ、国政において協賛消滅ということも十分考えられる。私は公明党の拮抗勢力として必要と思っているので、今後抜本的な改革を期待したい。首脳陣総再編成ぐらいしなければ国民へ『変化』アピールすることはできないだろう。まず党内へ向けている目を変えるべきではないか。その意味合いで言うのならば、社民はもうだめだろう。独自色がなさ過ぎる。
公明党は基礎票だけをとった、というところか。公明の良くも悪くも底力が発揮された模様。(聖教新聞を読んでいても、かなり追い込まれている印象があったが現実となってしまった)
国民新党と新党日本は「送るべく人を送った」ので責任を果たしたと思う。これだけ二強ガチンコ対決の色合いが強い中、よくも存在感を発揮できたもんだ。党首の個性強さがいい面で発揮できたと思う。数字に強い田中康夫には、参議院があっていると思うし。
さて、この結果を受けて、当然衆院解散が視野に入ってくる。これほどの惨敗なら年内解散もありうる話だ。なぜなら、参院で「店晒し」(+その結果としての廃案)が続けば国会運営に重大な支障が生じるし、それを避けるためにも衆院を解散して民意を問わねばならなくなる。小沢のことだからそこまで考えた上での参院選だと思うが、もし本当に政権をとりたいのなら、民主党は参議院できちんと採決するべきところと断固拒否する法案を明確に選択するべきである。自民党も民主法案を丸呑みしておいて、「あとで全面改正する」と宣言するといった汚い手段、強行採決を連発するような民意を無視した方法をとり続ければ衆院解散したときにまた痛い目をみることになるだろう。安倍政権をレームダック化させて汚い嫌な仕事を皆押し付けてしまうつもりかもしれないが、それではさすがに安倍ちゃんがかわいそうだ。今年はまだまだ波乱が続くような気がする。