永遠にこない「あと10年」

阿比留記者のブログを読むと、世の中はまだまだ私の知らないことがたくさんあるなと驚愕するわけですが、今回もまた大変興味深いエントリーをあげてくれました。

国を憂い、われとわが身を甘やかすの記より「順調に400万アクセス達成・おまけ、沖縄と核マル派と話

 200万アクセス到達が5月31日、300万アクセスが8月6日でしたから、最近はだいたい2カ月と1週間ぐらいで100万アクセスという計算です。ちなみに、コメント数はさきほど見た時点で計2万5397コメントに達していました。あるいはこっちの方が意味のある数字かもしれません。自分の知らないこと、見方の異なるコメントをいただくたびに、つくづく勉強させてもらっているなあと感じます。まあ、ごく一部のコメント(根拠のない決めつけ、誹謗中傷のたぐい)については、私もごく普通の人間であり、当然感情もあるので建設的ではないと考えるようになりましたが。

個人的には誹謗中傷の類はエントリのほうじゃないのか?という気もしますが、コメント欄が安倍総理退陣以来どうも政府転覆について話し合ったりとか方向性としてカルト化しているように思え、そういうのはあまりイクナイんじゃないかと。

 さて、これだけの報告ではちょっと寂しいので、先日の沖縄県出張(ばればれですね)について。約22時間ほどの滞在中に、7人から話を聞くことができ、那覇支局長の小山さんにビールと古酒をごちそうになるという、短いけれどなかなか密度の濃い出張でした。その際に聞いた、少し気になる話を紹介します。

 かつて県内の公立中学校で、PTA活動の一環として、教員による生徒の生活指導の手伝いをしていた人によると、休日に職員室に連絡に行ったら無人だったそうです。で、この人が何気なく教員用掲示板をみると、画鋲で分厚くファクス通信文のような紙の束が貼り付けてありました。そのプリントのような紙をよく見ると、驚いたことに、そこにははっきりと「革マル派」と記されていたそうでした。この人が休み開けに教員に抗議したところ、それからは革マル派の通信文書は貼られなくなったといいますが…。

 また、別の公安関係者によると、沖縄県内における革マル派の動員力は200人程度だとも聞きましたが、琉球大や沖縄県職員組合には深く食い込んでいるようです。これは又聞きになりますが、さらに別の県内在住者が警察から聞いたところによれば、「夫婦ともに教員で、アパート暮らしの場合は、革マル派との関係を警戒する」という話もあるようです。もちろん、大部分の先生方はこうした左翼過激派とは無縁に子供の教育に励んでいることと思いますが、基地反対運動の写真などでよく幟を目にする沖教組の組織率は5割近いですし、なんだかなあ。

 私はずっと前、昨年8月4日のエントリ「沖縄が中国の工作拠点になりつつある!?」で中国による沖縄浸透作戦に言及しました。でも最近は、朝鮮半島系の団体が宜野湾市などに教会や、ハングル教室を開き、いろいろと思想工作を行っているとも聞きました。その一つだという教会(当日は閉まっていました)の前まで行ってみましたが、外観はごく普通の事務所ビルに入居した教会にすぎず、実態を取材するには至りませんでした。まあ、一日でできることなどたかがしれていますし、その点はご容赦ください。

 地元の人の一人は、「このまま放っておけば、あと10年もすれば沖縄と本土の意識、現状認識の差は取り返しがつかないぐらい大きくなる」と危機感を表明していました。沖縄は、極端な左側にポジションを置く地元紙二紙と、それと同様の論調のテレビ局が情報・言論空間を支配しており、私も「本当にそうなるかもしれないな」と空恐ろしい気持ちになりました。

全体的な感想は後述するとして、まずは特に気になるくだりに触れたい。

 かつて県内の公立中学校で、PTA活動の一環として、教員による生徒の生活指導の手伝いをしていた人によると、休日に職員室に連絡に行ったら無人だったそうです。で、この人が何気なく教員用掲示板をみると、画鋲で分厚くファクス通信文のような紙の束が貼り付けてありました。そのプリントのような紙をよく見ると、驚いたことに、そこにははっきりと「革マル派」と記されていたそうでした。この人が休み開けに教員に抗議したところ、それからは革マル派の通信文書は貼られなくなったといいますが…。

私のように読解力がいささか難のある人間ではこの文章は全くの意味不明なんだがそれはさておき。まずこの情報元の「PTA活動の一環として、教員による生徒の生活指導の手伝いをしていた人」とはどういう人物なのか。PTA活動の一環ならば親か親戚か、ともかく生徒の縁戚関係にある人間らしいのは間違いないが、「教員による生徒の生活指導手伝い」となると、この「教員」が生徒の縁戚関係についての言及なのか、「教員による…指導手伝い」にかかっているのかがよくわからない。どちらにしろ、休日の職員室に無断で上がりこんでいい人物では到底思えない。しかも無人の校内を徘徊し、職員室の掲示板を盗み見る…まるで公安関係者の探索のようにも思えるが、それは前述のとおり私の読解力に難があるからだろう。とにかくそういう情報源の語るいつの話だか全くわからない話を注釈なく載せる産経新聞記者。よほど彼らが毛嫌いする朝日のほうがしっかりした取材活動をしてると思うぞ。それにしても出張費で飲み食いした挙句書いた内容がこれかよ。(あくまでもこれはブログだからまだアレだけれども、まさか新聞記事の内容も大同小異ってわけはないよね?)少しは、経営圧迫されるほどの上納金を差し出している夕刊フジの気持ちにもなれよ。まさにガソリン一滴(代)は血の一滴。それは全部あびるんの腹の中。閑話休題

でもって全体的な感想ですが、まあなんというか、一読して阿比留記者が沖縄について全く知識がないということがよくわかる内容ですな。

相も変わらず上記のようなアヤシゲな関係者の話でもって、教職員と核マル派を結び付けようとしたり、今度の沖縄侵略ブームは中国じゃなくて韓国だ!とぶち上げてみたり。つーか「朝鮮半島系の団体」ってなんだ?短いエントリの中にネタが凝縮されていてなんだか幕の内弁当みたいな華やかさだな。食ったら食中毒になりそうだけど。どうでもいいですけど“昨年8月4日のエントリ「沖縄が中国の工作拠点になりつつある!?」”云々のくだりについていえば、そういえば去年の夏頃も性懲りもなく例の民主党沖縄政策についての妙なFlashが流行った(流行らせた?)時期でもあり、阿比留記者がどこからネタを拾ってきてるのかよくわかってソテキでございます。(ネットウヨあびるんとしてみれば便乗するのは当然といえば当然なんだろうが)

正直、沖縄は70年代から80年代にかけてがもっとも過激派左派が食い込んでいた時期で(当時の皇太子皇太子妃両殿下に対して火炎瓶投げつける事件がおきたり)いまはかなり落ち着いているしあの頃のような勢いはほとんどないと思われる。それは沖縄の街を歩けば実感できる。高い失業率と太平洋戦争の風化に伴い、「本よりもパン」が当然重要視されるようになってきている。こんなことぐらい沖縄に多少なりとも関心がある「常識的」な人間なら自明の理だと思うのだが、特殊な思考をもつ方から見るとどうやらそうでもないらしい。そういう思考の方からみると、近年の沖縄観光誘致政策にのっとって、単なる語学教室が開設されていても「朝鮮半島系団体が沖縄に侵食!?」なんてことになるんだろう。普段は気にもかけずに無視しているくせに。