気持ちの悪い時代、二題。

「公然わいせつ」っていうから例のピーウィ・ハーマンみたいなのを連想しましたよ。てっきり。特に第一報で「下半身を露出した疑い」なんてのを読んでしまうとねえ。読売のその記事は削除されたたのか、もうみられないけど。裸で騒いで陽気でいいねなんて冷やかしはもうとおらない時代になりました。

それはともかく草磲メンバーも六本木で呑んで公園に行って全裸で騒ぐなんてことはせずに、G7にいって世界的会見を開くとかバチカンに無理やり押しかけて警報機を鳴らしたりすれば逮捕されることもなく、「地上デジタル放送普及促進のメーンキャラクター」という名の宣伝マン、つまり小松政夫と組んだわけでもないのに背筋を凍らせるような羞恥プレイなダジャレを言わせるようなこともなく、女性記者の前でパンツ一丁、それ以上は不適切な関係になる可能性がありますから危険ですが、そこまではともかくもオッケーであるとか、友達の友達がテロリストがいるとか、トキを焼き鳥にせず剥製にして残せる地位になれたのにね。だから昔からキチガイ水っていうんですよ。ごっくんはしないほうがいい。たしなむ程度にしておきましょう。

とはいえ、今回の警察については理不尽な点が盛りだくさんで別件逮捕・別件捜査のにほひがする。周知のとおり家宅捜索には令状が必要で、「公然わいせつの常習性があるかどうか」なんて理由で裁判官が許可したとかいうんだろうか。だいたい「公然わいせつ」の「常習性」なんてどうやって調べるんだ?AVでもでてきたらいいのか?

そもそも今回の事件はいわゆる女性にチンポみせたりする「公然わいせつ」とは違うだろ。勝手に一人で裸になって騒いでいたもので、迷惑防止条例違反とかそういう類のものではないのか。保護よりも逮捕しなおかつ拘留して家宅捜索までするのはどう考えてもおかしいといわざるをえない。おまけにこんな大山鳴動して鼠どころかDVD一枚だってでてこなかった。そして草なぎは笑福亭鶴瓶師匠なみの「武勇伝」にしてしばらくメシウマ入れ食い状態今年の流行語は「裸でなにが悪い」に決定!?にできるところを、タレント生命を大幅に削るような事態に追い込まれた。どっかの大馬鹿大臣には「最低の人間」とまで言われる始末。

SMAP草なぎ逮捕】鳩山総務相、地デジキャラ逮捕に「最低の人間だ」

 鳩山邦夫総務相は23日昼、地上デジタル放送の普及促進のメーンキャラクターを務めているSMAP草なぎ剛容疑者が公然わいせつの現行犯で逮捕されたことについて「事実であれば、めちゃくちゃな怒りを感じている。なんでそんな者をイメージキャラクターに選んだのか。恥ずかしいし、最低の人間だ。絶対許さない」と明言。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090423/crm0904231256030-n1.htm

一読した瞬間に「毎日新聞の女性記者の前で服脱いでパンツ一丁になった人間に言われたくないよな」とか「泥酔して世界的な会見をパーにした挙句、大変貴重な(お前の代わりはなんぼでもいるが文化財は失われたらそれっきりである)文化財素手で触ろうとした元同僚にいえ」だのがもうウンカのごとく浮かんできますが、結局撤回する羽目になってさらに情けない事態に。

SMAP草なぎ逮捕】鳩山総務相が「最低の人間」発言を撤回
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090424/stt0904241046002-n1.htm

まさに「最低の人間」を自ら証明してくれるとは。体を張って泣いた赤鬼として草磲を守ろうとする姿勢は高く買うよ。

まあしかしこの一連の動き、気持ち悪い。実に気持ち悪い。

そしてそんな「どうでもいいこと」で大騒ぎしているうちにこんな話が持ち上がっていたそうです。

麻生首相 集団的自衛権行使の解釈変更を本格検討へ

 麻生太郎首相は23日、安倍晋三首相(当時)の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で座長を務めた柳井俊二元駐米大使と首相官邸で会談し、集団的自衛権の行使を違憲とする現行の政府解釈について意見を聞いた。北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射や、海上自衛隊による海賊対策の本格化を受け、集団的自衛権を行使できるように解釈変更が必要な状況が差し迫っていると判断したとみられる。首相が解釈変更に踏み切れば、日米同盟の強化や国際貢献に向け、大きな一歩を踏み出すことになる。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090424/plc0904240136001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090424/plc0904240136001-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090424/plc0904240136001-n3.htm

まあ産経なので本当かどうかアヤシイものですが。

結局あの北朝鮮「ロケット」騒ぎもそれにともなう核武装だのなんだのって話も結局ここにつなげるためだったのねと超得心。というよりもこういう動きにつながらなかったら気持ち悪いですな。

それにしても本当に気持ちの悪い時代になってきたものだ。外国人排斥運動という名のレイシズムヘイトスピーチ日教組だのサヨク(笑)だのを「敵」認定して堂々と公で表現するような二項対立構造の演出。のせられて付和雷同する人々。そして集団的自衛権の解釈変更。

戦前だって今から考えればなんども「あのときどうにかしろよ」っていう分岐点があった。西松建設問題と考え合わせるといまが「振り返っての分岐点」にならなければよいがと切に思う。

いやな時代になったもんだとため息ついて酒を飲むことも出来ないな。うっかり泥酔なんかしようものなら、気がつけば逮捕されて家宅捜索されているなんて事態になっていても文句はいえないわけだから。おまけに証拠は見つけるものではなくて作るものという静岡県警伝統精神が津々浦々まで蔓延してようものならアータ、鍋のふたでもあれば「裸踊りイコール露出趣味が常習であった証左」なんつって起訴されかねないです。酔っ払うときは家にあるものは全部処分して臨むぐらいの覚悟がなきゃいけないかもしれませんね。なにせ家にいて酔っ払って裸になっても公然わいせつといわれかねないんですから。(誰も見てなくても公然わいせつという前例ができましたし)勇ましく戦場に向かう自衛隊員の姿が映し出される地デジテレビがぼんやりともるだけの空っぽがいっぱいの部屋なんて、なんとも現代ニッポンにふさわしい未来という気がしませんか?