連載モノ「何たる選挙戦」(2)は結局何たるコモリンということだった。

なんだかうなり声やら絶叫やら、モノクルオシイ状況だけはよくわかるこの頃のkkk新聞。現在煽るだけ煽って終わりになるんじゃないかと心配している「やばいぞ日本」という特集を一面掲載中なのだが、それにケリがつく前に「何たる選挙戦」というのが“緊急特集”ということで始まった。朝からアツイ叫びを受け止め切れるのか、いやすべて受けきるッッッという決意とともに斜め下から見上げてみることにした。今回取り上げるのは(2)である。ラブレター・フロム・ワシントン。


【2007参院選】何たる選挙戦(2)「醜聞・年金だけの争点は恥だ」

 「今回の参院選は、日本が今後国際的にどんな役割を果たすべきか、安倍晋三首相が示したビジョンへの賛否が問われるべきだと思っていたら、一連のスキャンダルと年金制度の管理ミスだけが争点のようになってしまった。これはシェーム(恥)だと思う」

 今の選挙のキャンペーンを「恥」という激しい言葉で評したのは、米国の若手日本研究学者マイケル・オースリン氏である。米国大手紙への7月上旬の寄稿だった。

 エール大学の准教授から首都の主要シンクタンクAEIの日本政治・外交専門の研究員となり、2週間前にワシントンに居を移したばかりの同氏は30代後半だが、日本側でおなじみの米国の日本専門家たちに比べれば、ずっと若い。とはいえ日本とのかかわりは大学卒業後すぐに日本政府の外国語指導助手招請の「JETプログラム」に参加して、兵庫県で2年を過ごし、数年後にはフルブライト留学で東京へ。そのまた後に神戸大学での研究と、長く、深い。

 そのオースリン氏をAEIに訪ね、改めて問うと、いかにもこの世代の日本研究者らしい知日度の高さと従来の枠からの脱却を思わせる解説がはね返ってきた。

 「宮崎県に住む日本人の妻の両親とよく話すので、年金問題の重要性もよくわかります。しかし、米国のスカートの背後から足を踏み出すという意味の『戦後レジーム(体制)からの脱却』を戦後生まれの若い安倍首相が唱えたいまの日本は、まさに歴史的な分岐点にあると思う。日米同盟をどうするか。中国の拡張にどう対応するか。憲法9条や防衛政策をどうするか。世界にどう貢献するか。今後の30年ほどの国の進路を決めるエキサイティングな時期でしょう。そんな時の国政選挙なのに醜聞と年金だけ、というのはあまりに残念という意味で『恥』と評したのです」

 ワシントンの戦略国際研究センター(CSIS)研究員でオースリン氏と同じ世代の日本の政治・安保の専門家ニック・セーチェーニ氏は「どの国の選挙でも主要な争点は国内問題になりがちですが」と前置きしながらも、「いまの日本は日米関係の在り方一つとっても、どんな政策が適切なのか、さらに国際的により大きな役割をどう果たすか、非常に重要な課題に直面しているのに、参院選では目先の問題にのみ込まれた観です」と、類似した失望をにじませた。

 ただし、今後誰が首相になっても、そうした対外的な重要課題からは逃れられないだろうという。

 米国のマスコミの参院選に対する関心もきわめて低い。大手紙誌で日本の今の選挙戦を詳しく報道や論評した記事はごく少数である。

 その理由について、日本の安保政策などを長年研究してきた60代のベテラン学者、国防大学国家安全保障研究所のジム・プリシュタップ上級研究員は「選挙戦が、米国側でも関心の深い日本の長期の外交戦略、つまり北朝鮮核武装や中国の勢力拡大への対処法などを論じず、スキャンダルだけが大きく投射され、もっぱら安倍首相への信任投票となったからでしょう」とみる。

 プリシュタップ氏はそして、安倍首相自身も憲法や安保という論題を、公明党の反応などに懸念して正面から後退させた一方、民主党も党内の政策見解一致がないために、安保や外交を論じたくないのだろうという考察を述べた。

 この点、オースリン氏は次のように語る。

 「民主党も政権の獲得を真剣に考えるならば、世界における日本というビジョンを大きく描かねばならないが、代表の小沢一郎氏は『永遠の革命家』という感じです。いつも闘いを挑むけれども、自分自身がどんな政策を有しているのか、不明という意味です」

 一方、オースリン氏によれば、安倍氏は「より強い日本、より自信ある日本」を目標に、民主主義や市場経済を基盤とし、安保努力の増強や日米同盟の強化を目指すという点で、是非は別にしても、政策の方向は明確だという。

 そうした政策目標は、これまた是非は別にして、日本という国家の在り方、そして日本国民の生き方の根幹にかかわる選択であろう。

 だがその是非が少しも論じられない日本の参院選の現状を、オースリン氏は「恥」という言葉で率直に批判したのだった。(ワシントン 古森義久

今度は外圧による安倍政権正当か。あの手この手を考えだすのはさすが愛する人を守るため手段を選ばない3kサン。共和党関係者に泣きついて何名か紹介してもらったのか?それはさておき、「恥」ですか。そういえば従軍慰安婦の意見広告を掲載する際、ワシントン在住の某紙記者さんが誤訳してしまったせいで、下院決議案の賛同者が増えてしまった、なんていうのは典型的な恥ずかしい事例だと思いますが。「認めたくないものだな若さゆえの過ちとは」とコモリンも呟いているだろうから、そのあたりは触れんでおいてやるさ。とまれ、個人的にはこの「若手日本研究学者」が寄稿した「米国大手紙」がどこなのか激しく気になります。なんで名前伏せるんだろう。ニューヨーク・タイムズだのっていうところが掲載した日にゃ、鬼の首でもとったかのように堂々と載せるだろうし。まさかワシントン・タイムズじゃないだろうな。(と思ったらウォールストリートジャーナル掲載分のコチラでした。俺ちゃんのアヤシゲなコンニャク能力で読み取る限りでは、とにかくアベちんこそ日本と世界の変容に対処できるヤシだから、ワシントンの政治家たちはアベちんの勝利を願いなさいっていうお話だった)

古森記者によると、今回の参院選アメリカでは詳細に報道していないそうだ。その理由を識者は以下のように分析する。

日本の安保政策などを長年研究してきた60代のベテラン学者、国防大学国家安全保障研究所のジム・プリシュタップ上級研究員は「選挙戦が、米国側でも関心の深い日本の長期の外交戦略、つまり北朝鮮核武装や中国の勢力拡大への対処法などを論じず、スキャンダルだけが大きく投射され、もっぱら安倍首相への信任投票となったからでしょう」とみる。

60代のベテラン学者なんて規定文字数満たすために必要なのか、そもそも60代の新人学者なんてありえんだろ。必要以上の経歴を書くあたりに、必死さというかなんていうか、ペテンペダンチックな感じがしてどうもこの人の書く文章は好きになれない。まあ俺ちゃんの好き嫌いは第三者委員会に監査依頼をだしておくことにして、この参院選アメリカは良くも悪くも静観するしかないだろうなと推測。おととしあれだけ馬鹿勝ちした自民党が下手を打ちまくり半ば自滅状態で迎えたこの選挙。政権交代になるのか、分析は後でも間に合うだろうと思われているとするのならば、よほど安倍政権は評判悪いんだなということになるような気がしますけんども。もっともこの研究員の言うとおり、日本の長期の外交戦略なんて争点にしたら、もっと惨敗することにならないかしらん。

プリシュタップ氏はそして、安倍首相自身も憲法や安保という論題を、公明党の反応などに懸念して正面から後退させた一方、民主党も党内の政策見解一致がないために、安保や外交を論じたくないのだろうという考察を述べた。

論じたくないというか、そのあたりの政策が俺ちゃんからすると自民党劣化コピーだからなあ民主党のは。差異が見えにくいからっていうのもあるかもしれません。この点をオースりんはこんな風に語っている。

民主党も政権の獲得を真剣に考えるならば、世界における日本というビジョンを大きく描かねばならないが、代表の小沢一郎氏は『永遠の革命家』という感じです。いつも闘いを挑むけれども、自分自身がどんな政策を有しているのか、不明という意味です」

この言葉、今の総理大臣のほうが当てはまる気がするな。拉致問題でもいつも威勢のいいことばかり言うが、言いっぱなしでどうしたいのかどうなっているのかイマイチ不明というあたりとか。

んでもって〆は

だがその是非が少しも論じられない日本の参院選の現状を、オースリン氏は「恥」という言葉で率直に批判したのだった。

翻訳すると『年金問題みたいな目先の物事にとらわれて日本を誤ったほうへ追いやるつもりなのか!』ってことなんだろうなあ。しかしそんなこといわれても、肝心の『安倍晋三首相が示したビジョン』が見えないからなあ。もしかしたら安倍ちゃんのことだから、日本国民が知らないビジョンをアメリカには示しているのかも知れない。ワシントン・タイムズあたりで。