煽り屋ばかり(橋下含む)

例の光市母子殺害事件にからむ弁護団への懲戒請求騒動、どうにも納得がいかない。

2ちゃんなどを見ていると懲戒請求騒動が起こったのは、本裁判における被告人と弁護団の主張のあまりの荒唐無稽さに憤ってというパターンが多いようだが、そもそも被告人の主張がどんなに荒唐無稽でも120パーセント信じて弁護にあたり被告人の利益を追求するのが弁護士なのではないか。その主張が普通じゃないというのを論拠にするのは普通という概念が個々人によって振幅の幅が大きいがゆえにもちだすべきではないと思うし、懲戒請求が多い=みなが同じことを思ってるから正しいなんてのも、多数派が常に正しいわけではないことはとっくに歴史が証明している。

また被告人が弁護士弁護団の作ったストーリーに載せられているというのも推測憶測の域をでない以上やはりこれも依拠すべきではない。

荒唐無稽だからそんな主張するなおかしいという人々は、あの事件を忘れられたのだろうか。ある地区で毒ガスによる死傷者がでるという事件が発生し、農薬をたまたま何種類か保持していた男性が逮捕された。男性は冤罪を訴えだが、県警による情報操作に踊らされたマスコミは次々に(毒物研究者まで動員して)彼に不利な報道を流し、続けた。もしその時、弁護団がこれはある宗教団体によるものだと主張したらどうなっただろうか。荒唐無稽と一笑に付される可能性はないだろうか。

もちろんこのように現在では冤罪と確定したケースを持ち出すのはいささか卑怯かもしれない。私もおそらく(判決がでてないので念のため断り書きをしておく)本件は有罪だと思う。無期懲役が被告人のいうように15年ででられるケースがまずない(中には50年以上現在も継続になっている場合もあるそうだ)としても、死刑をと率直な市民感情を露わにしたくなる気持ちもわかる。であればこそ冷静に見守る必要があると思うのだが。

とにかく私は別な意味で実は少し安堵している。これだけ懲戒請求を出す人々がいるのなら、この方々は裁判員制度が始まった暁には必ず参加してくださるだろう。まさか司法に市民感情を反映させたいというのなら裁判員制度を活用しないなんてことはあるまい。サボりませんよね?