悪意発露装置としての「ネット」

先日書いた「認定ありがとうございます」記事についてある人のブログを経由してこういう記事があることを知った。

ムラ
http://d.hatena.ne.jp/uumin3/20080713#p1

こちらの記事でのブログ主さんのコメントを読んでいて気になったのでレスを返した。

Prodigal_Son 2008/07/13 19:27
はじめまして。ちと気になったのでコメントさせてください。
私もこの騒動?はよくわからんのですが、この増田はTB?かなにかで追加idを募集していて、私はどうも「反日・特定人に粘着しているキモユーザーリスト」というTBがあったために載せられたようです。だから

>この増田さんのもくろみ、何らかの理由で「ハブりたい」人(たち?)がいて、その名前だけだとまずいのでカムフラージュするためにほかの人の名前(と理由)をくっつけていたんじゃないかという推測に結構自分ものっています

というのは確かにそうだと思うんですが、そういうTBが寄せられ追加されていくあたりに、最初に書いた人間の意図を超えた「悪意の発露」装置的ななにかになっていったような気がするのです。ブクマよりもその本人が書いているダイアリーを重視しているとしか思えないところとか。だからこそ反応した人が多かったんじゃないじゃないでしょうか。向けられた「悪意」に対してなにがしかの反応を取りたくなるのは人情ですし。そこを俯瞰して眺めることに対して失礼ながら私としてはあまり意味があるとは思えないんです。

uumin3 2008/07/13 22:15
最初の試みも含めて、ここに何らかの意図を読み取るのは無理筋かと思います。それが無様な失敗に終ってしまったことでもありますし。
ただ人は自分に向けられた悪意に反応したくなるというのはおっしゃる通りでしょうし、それが不自然だと申しているわけではありません。これは確かです。

しかしながら「スルーがベスト」と常ならば思われるような方々を含めて、圧倒的にネガティブな対応に出られたのは、それぞれがそれぞれのブクマコメントなどを心の頼りに一斉に同じ方向に動けたとも見ることができると私は感じました。

初めの人の意図は結局わかりませんし、そこに「ムラ的もの」を見るのは違うでしょうと思ったことからエントリーを書いたのでした。むしろ「ムラ的もの」をこのケースから見ることができるとするならば、一斉に行なわれた「反応」の方にこそあるという意見は未だに変わりません。

ただし私自身が直接にここに「ムラ的」問題をみたというわけではなくて、あくまでもリアクションとしての感想です。
幸か不幸か発言者が匿名であったがゆえに、発言者自身が逆に皆に叩かれるという事態にはなりませんでしたので、その問題というもの自体、フィクショナルといえばいえるのですが。

さて反応といえば、antonianさんがこの増田エントリに気付かずにいる時点で彼女にこれを知らせる、ということが「隣近所づきあい」というものであろうと私は思います。
そしてそれがさらなる反応を呼んで…ということがさまざまなところで起きたとすれば、これはantonianさんがおっしゃる「孤独な世界」としてのブログ界ではなく、kafusannjin氏がいうところのムラ社会(的なもの)であると言われても否定できない側面はあろうと考えます。

おっしゃる「悪意の発露」装置みたいな動きも確かにあったでしょう。しかしそこにそれぞれが読み取る悪意は、あくまでそれぞれが自分の心の投影として映し出したものではなかったでしょうか? たとえばantonianさんが「ネガブコメ問題」をそこに見、Prodigal_Sonさんが「反日・特定人に粘着…」というようにそこに見たようにです。(私は第一感で馴れ合いのけまらしい関係批判かとも…)
繰り返しますが結局そうした憶測では何もわからないと言えばわからないのです。

現象としてそこに(結果的に)ムラ社会的ものがちょっとでもあったのではないか、というのがここで書いたことのすべてです。その意見に対し賛否はあるでしょう。これはもうわかっていただける人だけに通じれば、ぐらいに思うことです。(第一、深刻な問題化はしていませんしね)

ただしすべてが「自然」であって、そこに何も見ない(見えない)とするのは逆に私には「不自然」にも思われるところです。
そこに止むを得ない「人情」があったとしても、何がしかのものがそこに見られたと考えてみるのは無意味ではないと思うわけですが…

Prodigal_Son 2008/07/13 22:46
>Prodigal_Sonさんが「反日・特定人に粘着…」というようにそこに見たようにです

これは私が「反日云々」と名指しされた上でidを追加されたのではないにもかかわらず、私が自分のidを追加された意図に「反日云々」というのを見出した、ということでしょうか。

なんだか話しが変な方向へ向き始めたなと思いつついただいたレスを読み仰天した。

Prodigal_Sonさんが「反日・特定人に粘着…」というようにそこに見たようにです。

いや「見出した」となると「私がそれにはそんな意図がないにも関わらず勝手に思い込んだ」ということになるんだが?しかし実際は違う。あの元の増田記事が書かれて割りと早い段階で「反日左派・特定人物への粘着をしている人物」として私がリストアップされていたのだ。関連エントリーを見ればすぐわかる話で、私の勝手な思い込み扱いされても困る。

Prodigal_Son 2008/07/13 22:46
>Prodigal_Sonさんが「反日・特定人に粘着…」というようにそこに見たようにです

これは私が「反日云々」と名指しされた上でidを追加されたのではないにもかかわらず、私が自分のidを追加された意図に「反日云々」というのを見出した、ということでしょうか。

uumin3 2008/07/14 05:50
>Prodigal_Sonさん
 「私が自分のidを追加された意図に「反日云々」というのを見出した、ということでしょうか」
 そうです。少なくともそちら方向のニュアンス中心に反応されていたのではないですか?
 antonianさんのところへ送られたTB記事からもそう見えるのですが。
http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20080711/1215758789

え!?私は該当記事の最初に「なんで私がリストアップされたのか意味がわからんので調べた」ということを書いたと思うけれども…そしてその「反日左派云々」という記事は、関連増田エントリーをみればすぐに見つかるものだ。予断を持って、というのは「私が登録されたのは反日左派だからだろう」と探したからだと思うが、私はネットウヨクを自認している。反日左派だと自認してない人間がなぜそんな予断をもてるのだ?

Prodigal_Son 2008/07/14 08:55
>そうです。少なくともそちら方向のニュアンス中心に反応されていたのではないですか?

私の記事とリンク先をよく読まれましたか?
元増田の記事が書かれてわりと早い段階で「反日云々」と名指しするTBというか関連日記が該当増田エントリーに送られているんですよ。
http://anond.hatelabo.jp/20080709233258
反日左派と、特定人物に粘着してる奴中心。重複ご容赦。

↑こちらのエントリーに私が名指しされています。そのあと私のidが追加されているんです。関連記事をみていけば私が追加されているのはこの「反日左派」増田記事のあとであることがわかります。ですから「私が反日左派と名指しされて追加されてないにもかかわらず勝手に思い込んでいる」的なことをおっしゃられるのは事実に反します。

uumin3 2008/07/14 09:05
お書きになった記事からは、先に予断があったというように読めましたが。(関心の中心として真っ先に反日左派認定だとかいうものがあったということです)
その関心に沿ったエントリーに読めましたので、最初の増田氏の意図はともかく、その後の「事態」についても左派攻撃といったものを中心にお考えではないかと思いました。
その意味で、「Prodigal_Sonさんが自分のidを追加された意図に「反日云々」というのを見出した」(⇒最初の増田氏の考えとは関係なくでも)というのは正しいのではないかと思います。

それならば、という言葉も聞えてきそうですが(つまりそちらの意図は他の増田の言葉で書かれている>推測ではないという意味で)、antonianさんもおっしゃるようにそれは今回のこのケースの端っこ(の一例)に過ぎないと考えます。そういう人もいたということをもって、私はこの最初の増田氏のエントリーの意味を考えようとは思っておりません

私が該当記事を書いたのは、悪意が悪意に呼び寄せられていく(そしてその悪意の発露が非常に類型的であること)様に興味を持ったからだ。最初に書いた人間はおそらく単なる私怨だろう。ところがそれに乗っかった人間は非常に類型的な「反日左派」といったキーワードを持ち出してきた。この時点で当初のエントリーを書いた人間の思惑を大きくずれていったことになる。「教えてくれれば追加する」といった手前、元記事を書いた人間はこういう展開になることをあまり予想していなかったのかもしれない。自分の手に余る事態になりそうだったので、あのように大量のidをめくら滅法追加していったんじゃないだろうか。増加していくidの数はそのまま当人の当惑を表しているようだ。

今回の騒動、なんとなく「ネット上の犯罪予告連鎖」に通じるものがあるような気がする。悪意は公に発露された時点で更なる悪意を呼びこむ。関わらないようにするのが一番だが(悪意に巻き込まれるのは誰だって避けたいものだ)だが名指しされれば一方的に悪意を擦り付けられたような、居心地の悪さのみが残る。嫌な話だ。

悪意の発露装置としての機能を担ってしまったことを見過ごし、その気持ち悪さへの表明を「村的だ」と片付けてしまうことに、「予断」と他者を切って捨てた当人の「予断」を目の当たりにするようだ。