「オトコにすごい性欲があるから」性犯罪擁護論者の従軍慰安婦問題

河野洋平議長が引退を発表した。

このニュースが報道されたとたんいっせいに「売国奴」という言葉が(ネトウヨの腐臭漂う御口先から)怒号のように発せられたわけです。数は少ない割りに声だけはでかいからうるさくてかなわない。で、某所*1でこのニュースに関して書かれた日記・記事・エントリーもだいたい売国奴扱いしているのが8割くらい。真摯に河野洋平がなにをしたのかと分析した記事なんてごくごくわずかなり。

そんな状況の中、河野談話は大きな功績だよねと書いた方へついた「いかにもアレな」コメントに私がレスをし、そこからギロンとなっていったんだが、そのコメント主の主張が大変ユニークかつ驚異的なものだったので(嘘。本当はありがちなんだけど理性があるから普通は口にしない)埋もれさすのももったいないとここで披露したいと思う。ある種の世論、といっていいのかどうかは不明だけれどある種の見方の典型例みたいなものをだすことで、私のブログの陰のテーマである「歴史修正主義者とはいったいなんなのか」を考える際の素材にしたいという目論見もあるし、同種の興味がある人の参考にもなるんじゃないかと思う。(ネタ切れ人民共和国さんの世論収集にインスパイアされた、みたいなものですよ)また彼は自分の主張を「多くの人の目に触れさせたい」と述べていた。私のブログ記事掲載がその一端をになえれば幸いである。(HN等の書き換え・削除、文字の強調などは筆者)

ニュースから参りました。
ヨウヘイやめおった、めでたい!という日記の連なる中、ほとんど紅一点、深山の桜のような鮮やかさ。その勇気に感服します。

従軍慰安婦について、いやさ、日本のきし方ゆく末を自分なりに考えておるものです。この点について論争もいたるところで拝見しました。いえば失礼に当るかと思いますが、「南京事件従軍慰安婦問題も国際的な学会では証拠不十分で今や誰も信じていません」という人と「肯定派」のお話のようなのは、ま、出口がないといいますか、何かの結論に達したのを見たことがない、そう思います。

僕はちょっとスッゴク視点を変えてお伺いしたいのですが。

いわゆる従軍慰安婦問題ですが、一体何が、「イケないこと」 なのでしょうか。この問題において、当時の日本国政府のなにがイケなかったのでしょうか。話がややこしくなるので朝鮮人従軍慰安婦について限定してお願いします。

こんな僕でしたが、最近は、「本当に国を思うなら、自分と全然違う意見の人と話さなければ、何も変わらないのではないか」そう思っています。

「何かの結論に達したのを見たことがない、そう思います。」このコメント、この物腰、もうある種の人たちには「あーまたか…」「きたきたきたー」というぐらいありがちな態度ですな。お前が見たことないだけだよと即座に思った人は100は下るまいな。で、やっぱりありがちなネタを展開していきます。

>「南京事件」も「従軍慰安婦」もとっくに「ケリ」のついている問題です。

そうかな?

アイリス・チャン等が主張する30万人説には与しませんし支持もしませんが、

ならばなぜこういう前置きが必要なのでしょう。論争は未だ至る所で続いています。ほんとうにケリがついていたらあなたもそんなに憤らないでしょう。反対の立場から書き込んだといってただちに僕をまぼろし派と決めつけないでほしい。どうか落ち着いてください。僕は10年前南京におりました。この件に関しては筋金が入っております。悲劇があった。そのことはいたくらい知っているのです。見たのです。銃痕を。だからあなたと僕の思いは同じだ。過多があるだけです。

従軍慰安婦問題は、僕が思う所は「売買春」の問題だということです。それ自体が大変な悲劇であるのみならず、その周囲には、とりわけ春をひさぐ女性の身の上には、様々な悲劇がおこる。しかし、だとするならば、僕が思うに、ほとんど世界中のオトコはこれについて謝らなくてはいけません。だとしたらなぜ日本人だけが、しかも旧日本軍のオトコだけが、謝らなくてはイケないのでしょうか。僕はそう思うのです。

ちなみにアイリス・チャン云々は全然別の方とのコメントの文脈上でた言葉なので、この方には一切関係ないんですよ。日本語も怪しいし、本当にどうか落ち着いて欲しいものです。
それにしてもなんですか。『従軍慰安婦問題は、僕が思う所は「売買春」の問題だということです。』いいですよねこれ。僕が思う所、かっこいいよなあ。この時点で壮絶に明後日の方向へ全力疾走しているな。完全に私は置いていかれましたけど。ここから藁人形叩きショーです。

>だとしたらなぜ日本人だけが、しかも旧日本軍のオトコだけが、謝らなくてはイケないのでしょうか。僕はそう思うのです。

付け加えます。当時の日本軍の発想の特殊性というのは「オトコには性欲つーもんがある」ということによせばいいのにあっけらかんと向き合ったことにあると思います。前置きします。身勝手です。ですがしかし聞いてください。「日本のオトコは世界でも稀なケダモノである。いった先々でほっておくともう強姦しまくってしまくってろくなもんじゃないだかからなんとかしよう」と。これがそもそもの慰安所というものの発想ではなかったでしょうか。僕が救われているのはその時慰安所は「おらああああかっさらってこおおおおい」と軍の偉いさんがバン!と判子を押して号令一下、いたいけな娘ッ子を狩ってできたのではないということです。繰り返します。身勝手なんだ。しかし聞いてほしいのです。

そういう風に性と向き合って、いってみればHな発想を形にしてしまったということがあからさますぎて他国には理解できないということかもしれません。だけれどもじゃあよそさんの国の戦争のように勝ってしだいに犯して回った方がよかったというのか。韓国軍や米軍がベトナムで、ソ連軍が満州でやったことを我々は知っている。あれは誰が見ても「より悲劇」でありましょう。オトコには性欲があります。それは時として愛を育て可愛い子を生む。しかしマイナスナ面もはかり知れないです。そこにあるもから顔を背けず向き合って少なくとも(いいですか少なくとも、ですよ)「善処」しようとしたのが日本軍の心意気じゃあなかったんだろうか。僕は思うんですがやっぱりこれは突き詰めていうとセックスの問題です。思わずぽっとホホが赤らむがここから眼をそらしては何も解決しない。そもそも南京事件とちがって子の問題、「何があったのか」=歴史認識においては良心的な人の間ではだいたい分かりあえている。後は何をよしとするか悪しとするかだと思います。だから聞いたのです、何がイケなかったとお思いですか、と。

>また慰安所における虚言を用いての徴収や
未成年の売春は当時の国際法や国内法に基づいても問題です。

要するにこれが問題だということでしょうか?
確認させてください。

この人の書き癖(文体なんていいもんじゃない)は妙な哀願調で大変にキモイのですがこの程度のことニッポソ人には当たり前のこと、サヨクは配慮してくれないと。しかし読めば読むほど鳥肌を呼び背筋に冷水、夏にはもってこいですね(テキトウ)。蒸し暑い夜に読んだ日には殺意が沸きますが。
それにしても心意気かー。ニッポソの人はこういうところに心意気感じるんですかねー。でも当時の日本軍や日本政府には少なくともそれが「隠すべきものだ」ということぐらいの理性はあったと思うんですがねー。

「南京において虐殺が起きた」

当然です。当然です。当然です。

戦争とはつまり、虐殺です。我々は国の外へ踏み込んでそれをやった。
しかしそれはアメリカも、ヨーロッパ諸国も、中国においてすらもやってきたこととなんら変わりません。日本人だけがことさらに残虐でしたか。戦争をしました。しかし我々だけがケダモノだったのではないです。


「我々『だけ』が謝るわけにはいかない。しかも『やってない』ことまで謝るわけにはいかない」

というのが僕の立場です。だから「ゆう」さんにもいいました。ネットウヨと論争するのもイイんだが「おねがいだからその『30万人虐殺』というのをひっこめるよう中国人に説得しよう」と。僕は南京でレリーフに刻まれた「300,0000人」の数字を見ました。哀しい光景でした。

確かに興奮しているのは僕の方だったようです。
最後の質問をもう一度。

>そもそも管理された売春宿(公娼制度)と従軍慰安婦のいた慰安所は環境も違えばそこにきた経緯も異なります。また慰安所における虚言を用いての徴収や未成年の売春は当時の国際法や国内法に基づいても問題です。

要するにこれが問題だということでしょうか?
確認させてください。

相対化と事態を限定しての矮小化。このあたりはもう何万回もみた既視感で目がつぶれそうなロジックですねー。「日本軍も悪いことしましたー」→「でも他の国もしましたー」こんな使い古されて雑巾にもならねえ子供だましで説得力があると思っているんですからもう処置ナシですな。

やっとあなたとしたいお話ができるようになった。

>他人がやっているから自分達の悪行が免罪されるという主張にも読めますが、そういう「相対化」は何の益も生み出さないと思います。

でもね、問われている罪が売春なんだもの。軍の命令で拉致って犯してというんじゃない。それだったら僕は平謝りに謝るんです。売春ですよ。世界最古の商売とさえいわれている。自分達の悪行とさらっとおっしゃいますが、あれが悪行なら、僕は大阪にいまいますが、ソエモン町で、大国町で、十三で、今日も明日も明後日も春を売って暮している人、いっぱいいます。僕は昔風俗ライターだった。だから知っています。いつの時代だって売春は悲しい。かつての日本の植民地も大阪もなんら変わらんです。どんな美しい娼婦だって、よくよく近づいてみるとどこか傷んでいる。自分の魂を削り取ってオトコに与えているような、苛烈な彼女ら。しかし、それがオトコの罪なら、人間そのものの罪でしかないんだ。や、オトコそのもののというべきでした。謝れというなら謝ってもいい。しかし僕はそれは「世界中のオトコがいっせいにオンナに頭を下げる」というのでなければ駄目だと思います。再び問いたい。なぜ日本人だけが、しかもかつての旧日本軍だけが、謝らなくてはならないのですか。

>率先して日本が詫びれば世界に範を示せるでしょう?

率先して謝った例が河野談話だったわけですね。しかしそれは「模範」として受け止められたか疑問です。僕は、その善意の有り様は分かるが、不器用だったし、言葉足らずで、返ってマイナスにしかならなかったと思っています。

>つまりは日本軍兵士に対してそういった十分な休息や「慰安」を与えずに「女」をあてがってヨシとしたという見方も成り立つのです。

僕に取っては新鮮な視点で、あなたと話たかいもあったというものです。
「食い物などない、女はあるぞ! そうれー」これは、ひどい。
しかしすいません。小野田さんや水木先生の言葉だけでは、あ、そーだったんだーとは納得しがたいですね。もう少し資料が欲しいです。ただこれは慮りにすぎぬと前置きしつつ「照れ隠しなんじゃねえの」と思ってしまう僕なのです。オトコの性欲というものは、ま、大変苛烈なものです。ある意味切羽詰まってくると食欲以上のもんだと思います。実感として。

おめえとしたい話なんかねえよ!と絶叫したくなるな。「不器用だったし、言葉足らずで、返ってマイナスにしかならなかったと思っています。」←ワシントンポストに載せた「事実」広告のことですか?いやまああれは不器用とかいう問題じゃないし、マイナスにしかならないことは自明だったしなあ。その河野談話に助けられたのは誰でしたっけ?
強調部分もいいですね。この俺がそうだからみんながそうだというジャイアンロジックにはヒデキ!感激!古すぎて死ぬしかないネタでもださないことにはどうにもなりません。まあこの人は中国で1500キロ休みなく水も与えられずに歩かされてもまだビンビンになるような超絶倫なようですので、それはそれで一般化されると大変に違和感を覚える男性諸氏も多いと思いますよ。

やはりこの問題は「戦地のセックスをどう処理するのか」という問題です。やや際どい表現もありますが、そこで怯んでは駄目だと信じます。

>なぜ謝ってはいけないのか

ん?
売買春を謝れとおっしゃっている?

>現在の売春施設や内地の売春施設と慰安所は同列には語れない

いや、ちがいますね。やはり慰安所ならではのものがあって、そのことについて謝るべきだとこうおっしゃっておられる。 さあ、そこだ。本質的な意味において現在の売春施設と慰安所と何が違うのか。教えてください。

>田中利幸の
以下からの文章はすんません。僕はレイプの話はしてないです。レイプを防止するための売買春の話ならしておりますが。しかし面白いので話しましょう。

>自己制御できるわけですし、
たまりにたまればわかったもんじゃない。そこをわかってほしいのです。
ソースを出しましょう。

かの一休さんですら78をすぎて若い嫁をもらい
「淫水を飲んだ」などと書いております。
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20080519bk01.htm

オトコは永遠に悟れぬ修羅なのです。ただしオトコがたまれば絶対レイプするとまでは申しません。そこは確実でない。ただ可能性はぐんと高くなる。戦地ならなおさら。性欲ではなく支配欲征服欲うんぬんとおっしゃいますが、穿った見方ではあります。しかしそれは「ではなく」ではなく「一緒くたになる」ということだと思います。でなければ戦地のオトコがなぜ「レイプ」といういわばめんどくさい行為にまで及ぶのでしょう。「性欲ではなく」というのは間違いです。平時でさえセックスを征服としかみなさないオトコもいますね。かくのごとくオトコの性欲は苛烈なのです。でなければ、です。これだけ従軍慰安婦問題が盛んにいわれる「世界の模範となるべき」日本において、です。こんなに風俗産業が花盛りなのはなぜですか?オトコにすごい性欲があるからです。「それはあなただけだ」とは言えますまい。

僕はあなたは女だから分からないとかいいたくないです。
オトコだからって好き勝手いわないでとおっしゃりたいでしょうが。

>野放図に発散していいという法律はどこにもないです。

当然です。だからかつての日本軍はせめて慰安所をつくったということだと思います。現在の売春施設もためにあります。違いますか。


>性欲の発散のためにレイプが行われた例。

うーん。
でしたら「射精する目的以外でおこなわれたレイプの例」を教えてほしいです。

「本質的な意味において現在の売春施設と慰安所と何が違うのか。」もしかしたらこの人は白人も黒人もアジア人も人間だからみんな同じだとかゴリラとニホンザルは猿だから同じだとかいうレベルで「現在の売春施設も慰安所も同じ」と思っているんでしょうかね。チンパンジーも猿扱いしてそうだな。でもねApesはnot monkeyなんですよ。
小野田氏と水木しげるの例(慰安所と聞いてうまいものを食べさせて…と女よりも飯が欲しかったという談話)をだした私に対して、返してきたのは一休さん。だが本当に驚愕すべきなのはそこではなかった。強調した部分についてはもうなにもいうまい。ただ味わって欲しい。この人が独自なのは、フツーは恥のリミッターが働くので一般論で片付けてしまうところに惜しげもなく自分の体験談やらを投入してコメント内容を芳醇にしてくれるところだ。肉弾戦を戦う男、死して屍拾うものナシ。レイプは性欲の発散のためだけに行われると思っているところとか、なぜか非常に肉体派的なところを感じますな。書斎派でないことは確か。性欲原理主義者かもしれない。

>現地女性を蹂躙したことは犯罪なのではないのかと考えています。

蹂躙といえばそれぞれ国全体を蹂躙したのだから、強姦しようとしまいと、売春しようとしまいとごめんなさいなのは当然のこと。ただ僕はこれが性の問題だけに「日本人は世界史上まれに見る植民地女性狩り強制連行レイプマン集団」というレッテルを貼られるのだけはカンベンだとそういう思いがございます。もちろんあなたもそれは違うというでしょう。ところが中国朝鮮アメリカヨーロッパの人たちはどう見るのだろうか。アメリカの非難決議の文章など読むと「そらちがうだろ」といいたくもなります。河野談話はそういう誤解を助長したものだったのではないかと思えてならないのです。

(中略)

>そもそも管理された売春宿(公娼制度)と従軍慰安婦のいた慰安所は環境も違えばそこにきた経緯も異なります。また慰安所における虚言を用いての徴収や未成年の売春は当時の国際法や国内法に基づいても問題です。

従軍慰安婦問題のいけなかったところ、それはここだ、とあなたはおっしゃるのですか?

まあなんていうんですが、ただひたすら同音異句の内容を繰り返し繰り返し書き連ねる。そのバリエーションというか労力にはその情熱を生かして一生懸命働けよとお声がけしたくなりますな。

>「男は強い性欲があるので慰安所が作られた、そこへ未成年や強制的に連行された女性が従事させられていたとしても仕方ないことだ」

これは、ようするに僕の本音をほぼ言い当てているのです。
大したものです。

まことに耳の痛い話で、痛切に受け止めます。僕はこの問題、煎じつめればオトコのそういう部分にこそ根源があると思っております。

ただ、これは極めて切にわかっていただきたいのですが「仕方がないことだ」で終わっているわけではないのです。これは、仕方がないで終わってはいけない問題です。こうした部分といかに戦うべきか。今後のことを含めて考えている中途だということです。

従軍慰安婦問題について整理していただきありがとう。
イケない所、見えてきました。すると、別にイケないわけじゃない所も見えてきました。まず僕が大切にしたいのは、ここです。我々がやったと誤解されているもののうち、実際はやってないことは何か、ということです。

>兵隊や官憲が組織だって行ったという狭義の強制については不明(報告されていない)だが、

不明、ですか。なるほど。しかしここまでくれば「それはなかった」と考える、そういう僕を許していただきたいと思います。「資料はあったが焼かれた」とまでいう人がいる。そこまでいわんとダメかと思います。証拠がない以上は、それはやってないということにしてもらわないと困る。できたら僕はそこんところだけは挙国一致してほしい。無理でしょうが。我々は史上唯一のスーパーレイプマン国家では、ないんだ。僕は日本という国を愛し、その思いは時に子供を見つめるようであり、ある時は父や母を仰ぐようでもある。そういう国が未来永劫そういう汚名を着せられることに耐えられないのです。河野談話にも、せめてその前置きが欲しかった。

整理されている3項目は、極めて基本的なことが踏まえられていると思います。あらためてあなたの冷静さと見識の深さを称えたい。

で、僕はこう思うわけですね。

じゃ勝手にしやがれ。と軍が考えればよかったのかということ。動機は不純です。女性の方ならみな怖気を振るうでしょう。しかし僕はオトコだ。そして偽善者にはなりたくない。きれいごとをいっていればこの問題は終わらない。強姦が頻発し、性病がまん延し、情報がだだ漏れになるのを防ぐために、なにもしないより行動した。それは「いい関与」ー出発点においてはそうだった。そう信じています。その当時ギリッギリの「よかれ」であったことでしょう。

ところが、関与したのが「売買春」であっただけに、どういい関与をしようとそれは悲劇を生み出すモトダネでしかなかった。それはいえます。そしてあなたのご指摘のようにかといって日本の兵隊が紳士的で、強姦なんかしなかったかというとそうではない。結果的にはその取り組みは大失敗であった。それもいえます。

で、さらに僕はこうも思う。それは例えばナチのホロコーストアメリカの原爆投下のように、日本だけが行った、人類史上まれに見る大罪か。

僕は違うと思います。他の国が行った戦闘行為にあっては、軍からの何の対策もなきままに兵士達の性欲は現地人の無辜の民草に開放され、膨大な数の強姦と混血児を負の遺産として残した事例がございます。目も覆う陰惨な世界がそこにはあった。かつまた他国の軍において、かつての慰安所に類する施設が設置された例もあります。

で、それはさておき罪は罪なんだから国としてそれを詫びろ、とあなたはいっている。あるいは河野談話を積極的に肯定しろ、かな。僕はこれ以上詫びる必要はない、あるいは河野談話なんかメッといっているわけですね。

ここが大きな違いですね。この違いは、ま、こうしたやりとりでは、なかなか埋まらないでしょう。ですが、どーしてそんなことを考えるのか。他人の意見を知ることはできます。それは旅をするように楽しいことです。10年後20年後に効いてくるかも知れない。

で、質問です。この問題において
どういうのが「詫び」だとお思いですか。

>旧日本軍が組織的に女性を徴収し、性的搾取を行ったことが一番の問題なのではないのでしょうか。

「旧日本軍が組織的に女性を徴収」というのは、かっさらってこいという命令のもとかっさらってきて働かせたということでしょうか。もしそれがほんとうだったとしたら、僕は(僕が一体だれにどう詫びていいかわからないし、僕が詫びても意味がないかも知れないが)できる最善の方法で詫びると思います

なんかもうこのあたりでウンザリしてきたのですが、あらためてリアクションするのもやっぱりウンザリします。

先の戦争に対する反省ということをおっしゃられました。僕は反省をしてないわけではないです。戦争は、もう2度としてはなりません。ただ、なぜ戦争というものが起るのか「戦争がしたくてしたくてする」というのはむしろ少数派ではないかと思うわけですね(そうでない場合もある、か)。かつての日本の場合も、南下して来るロシアを見ながら恐怖にかられて朝鮮半島にでばっていったのだし、アメリカとの場合もハルノートなんてものをつきつけられちゃってですね。これは「だから仕方がない」とかいっているのではなく、そうなる前に、そうならんように、対処すりゃよかったんじゃないかと思うんですね。で、その時に「追い詰められるスキがありすぎたんじゃないか」そういう反省もしなくちゃいけないと思うんです。国と国との関係は、大変タフなもの、スキを見せたら付け入れられる。中国、北朝鮮、韓国、アメリカ、みんなタフです。

「付け入れられる」と今の日本の場合どうなるのか。

今国の主権は国民にあります。国民の意見が政治をきめる。僕は、特に僕も含めた若い衆は、大変追い詰められていると思います。現に河野さんが引退する。このニュースに寄せられた日記だけでも、怨嗟がとぐろをまいています。こうした若者がどんどんどんどんオトナになっていって発言力をます。僕はこれをほっとくと、かつての日本がそうだったようにいつか爆発するんではないだろうか。そう思うわけです。僕も含めてです。

もっと謝りなさい、で彼らの気持ちがかえられるのだろうか。
ここ、どう思われますか。
だったら僕もそうします。しかし。

平和というものを押し進めていくのも大切。
他の国に追い詰められないよう毅然とした態度でいることも大切。
それが本当に戦争をしない国づくりではないだろうか。
名誉ある平和でなければ、「わいら日本」を愛する国民は納得せんです。

だから僕は強く強く考えているんですね。「やってないことまでは謝れない」。
だから「やってないことは何か」ということをしっかり見極めたいのです。
やってないことまで謝るとするなら、それはあらたに日本が世界の奴隷になるということです。

そういったわけで

>確固たる証拠は多くの従軍慰安婦からの証言で得られているのではないのでしょうか。

ここは慎重でありたいのです。もし軍命令による強制連行を裏付ける信ぴょう性のある証言があれば、教えてください。

こういうひとって割と前置き(言い訳ともいう。たいていは日本は悪いことをした、反省はしなくてはならない云々)をつけることが多いんですが、後段で丸ごと否定してしまっていることには全く気づいてないのが不思議。あとは例によって「自分が知らない=事実として存在しない」が登場します。強く強く考えてはいても、深く深くは考えないらしい。強ければいいってもんじゃねえだろ。強い思い込みはまたの名を妄想ともいいます。

そんで、ご想像がつくとは思いますが、この人の性暴力・性犯罪擁護論にはこのやり取りをROMしていた男性女性を問わず囂々たる非難があがりました。当然といえば当然ですが。それに関して彼はこのように答えました。

すいませんとりいそぎ。あなたへのコメントで僕はこう書いています。
2008年09月18日 11:25のコメントです。これが言葉足らずなら訂正します。

>ただ、これは極めて切にわかっていただきたいのですが「仕方がないことだ」で終わっているわけではないのです。これは、仕方がないで終わってはいけない問題です。こうした部分といかに戦うべきか。今後のことを含めて考えている中途だということです。

僕は強姦は仕方がないとあきらめているわけでわない。そうではなくて、今日もどこかで強姦事件は起っている。男は誰もがそれをするわけではないが、強姦をしてしまう可 能 性のある動物だということです。僕も告白します。かなわぬ恋があった。いっそ犯してしまいたい。そういう衝動にかられたことがあります。もちろん実行に移したことはない。しかし愛するかみさんから遠く離れた戦地でうら若き女性と森の中で出逢ったらどうなるか。そういう自分を知っているが故に。そして男性というものは性欲が募るほどに往々にしてそういう魔物に変わっていく(もちろん例外もあります!)ものだと思うが故に。ぼくはそのことと、ど真剣に向き合あわなければ、この問題は解決できっこない、そう考えています。

このコメント以来「大藏は強姦を仕方なしとしている人」と思われたすべての方へ、自分の言葉に拙い部分があったとは思います。しかしそれは、それだけは誤解であり、ご理解いただきたく存じます。

性犯罪/性暴力擁護論どころか犯罪予備軍告白までしたYO!たぶんお前と一緒にするな馬鹿とグーで殴りつけて裏の川へ放り投げたい気分になった男性も少なくないだろうに。この人の非常にユニークな、凡百のよくある性犯罪/性暴力擁護論とは決定的に袂を分かつ「性欲原理主義」というか「経験至上主義」というかが爆裂してますね。空中分解してますが。体験談という愚痴も聞かされているほうはたまったもんじゃない。それにしてもこのテの人って自分が「される側」「被害者側」になる想像って絶対にしないのね。「する側」にまわった際の想像力がこんなにも潤沢なのに不思議だわー。

当然のごとくボケカスラッパ扱いされてしまったのでついにはこういう結論に至ってしまいました。

>僕は強姦は仕方がないとあきらめているわけでわない。

こう書いています。「強姦は仕方がない」とはいってないと一生懸命書いたつもりです。ところが

>肯定は肯定!

となってしまう。肯定とは「イエス!」というニュアンスあたえるものです。それは違います。僕はイエス!とjはいってていない。かつまた「すべての男は強姦する」ともいっていない。なぜこうなるのでしょう。「可能性がある」そういっているだけです。可能性なら誰だってあるはずです。

男性の方幾人かにお聴きになってみればよろしい、それこそ特殊な例をのぞいて自分自身の心の性衝動と必死で闘った経験があるはずです。

>「森の中で若い女性に会った」というだけですぐ発情(下品な言葉ですみません!)するような自制の効かない極一部の例外男性といっしょにされては大多数のまともな男性は非常に迷惑なのではないでしょうか。

そういう想像を一度も巡らせたことがない男性がいたらお目にかかりたいものです。

ふう。
あなたがたのいうことは「あまりに正義すぎます」。どうせわからないでしょうが。それはなによりも恐ろしいことなんだ。僕は自分自身に悪心というものがあることを知っています。これは誰の心にもあると信じています。ないといったらそれはウソです。そこを自覚しなければ真の平和は訪れません。魔が差せば何をするのかわからないのが人間です。僕は人を殺す可能性があります。だから一生懸命正義について学ぶのです。「私は人を殺す可能性なんかありません!この極悪人!」そういいたければいうがいいです。しかしそれを僕はその人の真実だとは思えません。

何を言っても伝わらない。どう書いても曲解しかされない。もはや話す気力もうせました。お話しにならない。本当にお話しになりません。

僕はこれが「国のこと」であるが故に「誰も聖人君子じゃない、自分も含めて」ということの自覚なしには正しい知見には到達できないと思います。あなたも、やはり僕にいわせれば正義すぎる。そういう面が強すぎます。話をするだに不毛だし、疲れました。さようなら。どうぞ好きなようにご断罪ください。お仲間とご歓談ください。

なんかこう、勝利宣言というか「バーヤバーヤ」と泣いて逃げる姿まで一貫性があり、そういう意味ではなんだか見事な猿芝居の一幕を見せていただいたという気になりました。怖いですねー恐ろしいですねーこんな人が本当にいるんですよ。いやきっとウヨクの地位を低下させようとたくらむニッポソ工作員に違いない。犯罪者はすぐそこに!スパイ活動防止法を制定しよう!世の中って狭いねえ。そういうことだったのか金田一くん!それではまた。