橋下「弁護士」に賠償命令!でも控訴するそうだ。
イエーイ!バッバッバッバッと「えの素」のみちろうみたいにやりたくなるニュースですな。
橋下徹・大阪府知事がタレントとして出演したテレビ番組で、多くの視聴者に弁護人への懲戒請求を呼びかけた行為を不法とした2日の広島地裁判決は、発言の責任を厳しく問う結果となった。弁護士でもある橋下知事は「司法の判断は重い」「表現の自由に対する(自分の)考えを改める必要がある」と謝罪。過激発言を飛ばす〈橋下節〉は影を潜め、神妙な表情でとつとつと語った。
橋下知事は幹部会議を終えた後、知事室前に集まった約40人の報道陣の前に現れ、「多くの人に大変ご迷惑をおかけしました」と述べた。口頭弁論ではこれまで「発言は表現の自由の範囲内で、違法性はない」などと主張していたが、「テレビ出演者として、表現の自由の範囲を誤ったことは間違いありません」と、2度、深々と頭を下げた。
橋下知事は「判決が不当だとは一切思っていない」と強調しながらも、控訴する考えを表明。「番組で言ったことを争うわけではない。新たな主張はしない」と控訴審でも従来の主張を繰り返す方針を示した。
ふだんからメディアを通じて自らの主張を発信している橋下知事。今後の影響を尋ねられると、「ないです」ときっぱり。「政治家としては、個人ではなく、大きな組織や制度を攻撃している。今の手法には影響しません」と反論した。
一方、原告の今枝仁弁護士は判決後、広島市内で記者会見し、「十分な調査をせずに懲戒請求することが違法だと確認された画期的な判決」と述べた。
原告側代理人の児玉浩生弁護士は「懲戒請求をした人たちから、『理解が足りませんでした。請求を取り下げます』との手紙が、今枝弁護士に4、5通届いた。(橋下知事が)屋根に上げて、はしごを外した形だ。(請求したのは)視聴者の自由意思とするのは責任転嫁の発言」と批判した。
日本弁護士連合会などによると、原告の4人を含む、光市母子殺害事件の差し戻し控訴審の被告弁護団22人に対しては、全国の10弁護士会に計8095件の懲戒請求が出されたが、いずれの弁護士会も、懲戒処分をしない決定を出している。
田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話「メディアで行われる自由闊達(かったつ)な議論は妨げてはならないが、懲戒請求は弁護士の職を奪いかねない重大なもの。不特定多数の視聴者に懲戒請求を呼びかけたのは慎重さに欠けた。裁判は、報道機関が何を報じ、何を規制すべきかを考えるよい機会になったのではないか」
(2008年10月2日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20081002-OYO1T00455.htm?from=main2
きましたね。橋下「弁護士」敗訴の報。まあ判決自体は至極妥当という以外に言葉はないんですが、相変わらず不可思議な橋下知事。「司法の判断は重い」「表現の自由に対する(自分の)考えを改める必要がある」「判決が不当だとは一切思っていない」とはいいながらも、
橋下知事は「皆さんにご迷惑をおかけした。自ら法律解釈を誤り、表現の自由の範囲を逸脱した」と謝罪する一方で、「三審制もあるので高裁の意見をうかがいたい」と、控訴する方針を明らかにした。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008100202000236.html
ということで控訴するそうな。なんだこの「三審制もあるので」って言う理由は。この報道どおりの発言をしたのだとするとどこまでいってもこの人は人のせいにばかりしてるんだな。こんな無責任を絵に描いたような人物が知事という「責任」でできあがっているような地位にあるというのは、悪い冗談を通り越してある種の狂的な状況を示唆しているとしかいいようがない。
ほか、各紙の報道で気になったものをピックアップ。
橋下弁護士に800万賠償命令 光市懲戒請求訴訟で広島地裁判決
大阪府知事の橋下徹弁護士(大阪弁護士会)がタレントとして出演したテレビ番組で、山口県光市の母子殺害事件の男性被告(27)=死刑判決を受け上告=の弁護団への懲戒請求を呼びかけたため業務を妨害されたとして、広島弁護士会所属の弁護士4人が1人当たり300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081002/trl0810021052001-n1.htm
「タレントとして出演した」ってエクスキューズのつもりなのかね?もちろん「タレントとして」この番組に出演するには「弁護士」という肩書きが必要だったことは言うまでもない。mixiニュースの関連日記には「弁護士としてではなくタレントとして出演して番組に沿った発言をしてるんだから問題ないだろ」とか頭の悪い発言をしている人がごちゃまんといて*1「見本市」と化しているが、当然こんな話は通らない。橋下知事が自ら懲戒請求を出しておらず、一度も出廷しなかった事実から考えて、こんな義理だて庇いだてするような人物じゃないのは明白だろうに。おやさしいのねミナサマ。
報道姿勢に関しては、問題の番組は録画にもかかわらず、発言をそのまま放送した。専門家は「弁護団の主張に違和感があっても、『気に入らないから懲らしめろ』では魔女狩りと変わらない。冷静な議論をすべきだった」と警鐘を鳴らす。橋下氏と同時に、メディアの責任も問われた。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081002k0000e040010000c.html
メディアの責任も問われた…ってずいぶんヒトゴトな表現ですこと。こと今回に限ってはマスコミの責任は甚大であり、こういう事態を招いたのはマスコミと橋下知事のタッグマッチによるものがとてもつもなく大きいのは間違いない。視聴者とやらに媚を売った報道ばかりをしていると結果的にしっぺ返しを食らうハメになるということは毎日新聞を見ても良くわかる話である。