ダンボール肉まんはやはりやらせでした。けれど。

話題の中国ダンボール肉まん問題ですが、どうにもヘンだなと思っていたらやはり「やらせ」だったようで。

段ボール肉まん:スクープ報道は「やらせ」 北京テレビが謝罪「アルバイトが指示」
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/china/news/20070719ddm041040023000c.html

■<続報>「段ボール肉まん」騒動、やらせの手口が明るみに?北京市
http://www.recordchina.co.jp/group/g9840.html


そりゃそうだよなあっていうか、苛性ソーダなんて使ったら、最悪死人、そこまでいかなくても中毒患者がでるような気がする。第一(生命に危険を感じるレベルで)不味いだろうからそもそも商売として成り立つのかどうかが怪しい。また、やらせ報道自体がやらせなんていう意見もあるようだが、中国当局による情報統制陰謀論を唱えるのは無理があるように思える。中国警察が機能しているかどうかというかもしれないけれども、こんな屋台で売ってるような(あえていうならば)下層人民に対して躊躇する必要は全くないし、むしろ対外的なアピールとしては「こんなヤツでもきちんと取り締まっているから中国食品は安全だよ」などと使えるという風に考えていけば、蓋然性は低くなる。というわけで個人的にはそういう都市伝説かなにかが向こうでは既に流布されており、それに基づいて番組作ったんじゃねえかちゅう気がします。

さまざまに取り沙汰されている中国食品問題は、世界規模での貿易摩擦に発展しそうな気配を見せており、ある意味注視されているといえなくもない。国内ローカルな話題で視聴率稼ごうと思ったら、ここまで大騒ぎになってしまって当人が一番驚いているだろう。煽り便乗マスコミはどこの世界にもいる証左になった、などとありきたりに座りよくシメるわけにもいかねえな。私が中国食品問題をつい読んでしまったり公害問題について調べてしまうのは、いつか来た道を、そこに見出すからかもしれない。もしくは歴史は繰り返す、と実感するからか。

翻ってみれば日本も高度経済成長期は厭世感情終末気分がある種ブームになるほど全国津々浦々まで染み渡っていた。それはとりもなおさず工業化が進む中での公害食料汚染問題が深刻化していたからだ。中国の公害によって毒々しいまでに彩られた河川を見て、(語弊を恐れずあえて言うのならば)どこか懐かしいような気になってしまった人もいるのではないだろうか。ほんの少し前では日本にも同じような風景があった。背骨が曲がった魚、汚染された食物、泡立ちがいつまでもとれない色のついた河川湖沼、公害による立ち枯れで裸になった山、注意報までだされた大気汚染等々。多数の犠牲を払い、改善のための研究を推進してきたからこそ、あの頃よりずっとマシなニッポンの「いま」がある。他国には同じ轍は踏ませたくないなとは思うが、ここのところの中国を見る限り、対岸のため息で終わりそうである。